失業したら「失業保険」をもらうことは、みなさんご存じですね。
でも、失業保険をもらっている途中に再就職が決まると、
残りの失業保険がもらえず、損した気分になっちゃいませんか?
実は、残りの失業保険をもらうことができる制度があるんです!
「再就職手当」です!
今回は、「失業保険」と「再就職手当」のお得なもらい方を
検証したので、ぜひ参考にしてくださいね。
失業保険とは?
どちらがお得になるかを検証する前に、失業保険をもらえるのかを確認しましょう。
失業保険の受給条件
- 失業状態であること(ハローワークにて認定)
- 自己都合は1年以上、会社都合は半年以上、雇用保険に加入していること
退職後、会社から離職票をもらい、それを最寄りのハローワークに持参して、
失業を認定される必要があります。
失業保険でもらえる金額
雇用保険で受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」と言います。
「基本手当日額」は、退職前6ヶ月の賃金総額を
180で割った金額(「賃金日額」)に、約50~80%の給付率をかけたもの。
退職時の年齢や勤続年数で、給付率が変わります。
(参照)雇用保険の給付額の計算
だいたいあなたがもらえる金額がわかりましたか?
思ってたより多かったですか?少なかったですか?
再就職手当とは?
雇用保険受給資格者のみなさまが基本手当の受給資格の決定を受けた後に早期に安定した職業に就き、又は事業を開始した場合に支給することにより、より早期の再就職を促進するための制度です。
退職後、早く再就職した方が、多くのお金がもらえるという制度です。
3か月以上無職の期間が続くと、再就職に時間がかかるという統計があるため、
ハローワークでは、できるだけ早く再就職することをすすめています。
再就職手当の支給条件
以下の8つの条件すべてを満たすことが必要です。
- 受給手続き後、7日間の待機期間を終えて就職や事業を開始していること
- 就職日前日までの失業認定を受けた上で、
基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上残っていること - 再就職先が、退職した会社やその関連企業ではないこと
- 自己都合で退職した場合、1ヶ月間はハローワークか
職業紹介事業者の紹介による就職であること - 1年以上の勤務が確実であること
- 雇用保険に加入すること
- 過去3年間で、再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと
- 受給資格決定前に採用が内定していないこと
再就職手当でもらえる金額は、失業保険の残り日数によって変わります。
支給日数を、所定給付日数の3分の2以上残して再就職した場合、
失業保険の支給残日数の70%が支給されます。
一方、給付残日数が3分の1以上の場合は60%となり、
残日数が3分の1以下になると支給されません。
再就職手当でもらえる金額
失業保険の支給残日数が
- 3分の2以上・・・70%
- 3分の1以上・・・60%
- 3分の1未満・・・0%(支給なし)
となります。
つまり、早く再就職した方が多くの給付金をもらえることになりますね。
失業保険と再就職手当どっちがお得なの?
ハローワークでは、
再就職手当をもらって早く就職しよう!と勧められます。
「雇用保険受給資格者証」を受け取るときに、
「あなたが再就職した時にもらえる金額」が書かれた紙がついていました。
早く就職した方がお得だからね!(by ハローワーク)
少し休みたかった私は、どっちがお得なんだろう?と
計算してしまいました。
経理人間の性でしょうか・・・(笑)
ケース1
35歳:月給20万 勤続年数10年 自己都合での退職
給付日数:120日 基本手当日給:4,864円
- 失業保険を120日受け取った場合・・・583,680円
- 失業保険(1日)+再就職手当(残119日)・・・410,035円
(4,864円+405,171円) - 失業保険(30日)+再就職手当(残90日)・・・452,352円
(145,920円+306,432円) - 失業保険(40日)+再就職手当(残80日)・・・466,944円
(194,560円+272,384円) - 失業保険(60日)+再就職手当(残60日)・・・466,944円
(291,840円+175,104円) - 失業保険(80日)+再就職手当(残40日)・・・505,856円
(389,120円+116,736円) - 失業保険(81日)+再就職手当(残39日)・・・393,984円
(393,984円+0円)
120日間、失業保険を全額もらった場合が一番多くもらえますね。
もし、途中で就職する場合は、残りが3分の1(に近い)の時点で
就職する方がよさそうですね。
1日でも過ぎてしまうと、0円になりますので残り日数は間違えないように!
ただ、これはあくまでも失業保険と再就職手当をもらう場合のこと。
途中で就職が決まった場合、就職先からのお給料が入って来るので
実際の手元に入る金額は増えますよね?
ケース2
◆35歳 ◆月給20万 ◆勤続年数10年 ◆自己都合での退職
◆給付日数:120日 ◆基本手当日給:4,864円
◆再就職後の月給:20万
- 失業保険を120日受け取った場合・・・・・・583,680円
- 失業保険(1日)+再就職手当(残119日)+給料・・・1,200,035円
(4,864円+405,171円+790,000円) - 失業保険(30日)+再就職手当(残90日)+給料・・・1,052,352円
(145,920円+306,432円+600,000円) - 失業保険(40日)+再就職手当(残80日)+給料・・・996,944円
(194,560円+272,384円+約530,000円) - 失業保険(60日)+再就職手当(残60日)+給料・・・866,944円
(291,840円+175,104円+400,000円) - 失業保険(80日)+再就職手当(残40日)+給料・・・771,856円
(389,120円+116,736円+約266,000円) - 失業保険(81日)+再就職手当(残39日)+給料・・・653,984円
(393,984円+0円+260,000円)
給料はざっくりですが、早く就職すると
たくさんのお金が手元に入るという結果になりました。
基本手当日給が多いほど、差が開いてしまうので、
早めに就職した方がいいかもしれません。
しかし、基本手当日給が高いと失業保険だけで、
生活していけるかもしれないので、難しいところです。
結局、お得な方はどっち!?
どちらがお得なのかは、
「ひとそれぞれ」
ごめんなさい。お役に立てなかったかも。
その人の失業保険の金額や給付日数にもよりますし、
貯蓄のあるなしにもよるでしょう。
働かなくてこれだけもらえるからいいや~と思うか
お金が欲しいから働く!と思うか、人それぞれだと思うので
結局のところ、どちらがいいのかは決められませんでした。
再就職をしたけど給料が前職より安い場合
再就職が決まっても、必ずしも給料がアップするとは限りませんよね。
もし、給料が安くなっても、少し援助してくれますよ!
「就業促進定着手当」という制度があります。
「就業促進定着手当」とは、再就職手当の支給を受けた方で、再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月間の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に、基本手当の支給残日数の40%(※)を上限として、低下した賃金の6か月分を支給するものです。
※再就職手当の給付率が70%の場合は30%
これは、再就職手当を受給したけど、
新しい会社の給料が前職よりも安かった人を援助しますよーという制度です。
就業促進手当がもらえる条件
- 再就職手当の支給を受けていること
- 再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
- 所定の算出方法による再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること
計算式が複雑なので、もし自分に当てはまりそう!と思ったら、
一度チェックしてみてください。
まとめ
失業保険と再就職手当についてまとめてみました。
ハローワークの人は、この再就職手当をかなり勧めてきます。
(私の市だけ?)
ただ、いい就職先が見つかれば、失業保険の損得を考えずに、
就職した方がいいかなと個人的には思います。
このご時世、なかなか希望の会社に入ることができません。
就職もタイミングが必要です!
いい会社に巡り合えることを願っています。